プロダクションに所属するには様々なしがらみも関係してきます。
前回お話した演技が上手くても所属出来ない例の続きとなります。
上級クラスのみの試験ではSさんはかなり良い芝居が出来たみたいで、試験終わりに食事に誘っていただきました。
事務所のマネージャーもそうですが、皆が良かったと言っていましたが翌週の発表では何故か落ちてしまいました。勿論、Sさんは講義に行ったらしいですが合否に関する内容は基本的には教えられないの一点張りでした。
その時に思ったのは上級クラスと言うのはどれだけレベルの高い人間しか入れないの?と言う驚きだけでしたが、この驚きは1年後違った意味での驚きに変わりました。
例の合否の結果から3ヶ月でSさんは養成所が信じられないと言う一言を残して別の養成所に移ってしまいました。
それから約1年ほどたったある日、私もついに上級試験を受ける日がやってきました。勿論、当時のSさんに比べればまだ拙い部分はありましたがそれなりに自信はありました。試験結果は合格で次の週から上級クラスの仲間入りと言う事でケーキを買ったのを思い出しました笑
ただ、翌週驚いたのは上級クラスは皆自分よりも下手な人間が多かった事です。
その事をSさんに伝えると、こんな事を教えてもらえました。
Sさんは試験後、今のクラスの先生と飲みに行った時に何故落ちたのかを教えて貰ったようです。
理由としては発声関係の先生と仲が悪い事で、その先生が合格にしなかったと言う部分で落とされたようです。
この養成所では全員の合格サインが出ないと合格扱いになりません。
なんでも、Sさんは何故この先生と仲が悪いのかと言いますと、
- はじめての授業で電車の人身事故に巻き込まれて遅刻した
- 友人にテキストを貸したまま忘れられて他の人のテキストを借りて指摘された
- 発声方法の質問の仕方が悪く、レッスンのやり方が間違っていると勘違いされた
- 上記から何回かサボりが目立った
このように、何といいますか非常についていないというかお互いのすれ違い部分が圧倒的に多かったみたいですね。ただ、これは人間関係の問題でレベルの問題ではありませんね。
正直私もこれを聞いた時は信じられなくなりました。ただ、実際にオーディションは数多く回して頂ける事実はあったので微妙な気持ちではありました。
この場合は他の先生の評価や内申点は高いが、ある先生の内申点が圧倒的に低かったと言う感じでしょうね。
人間関係だけで自分を良い環境におけなかったというのは本当に憤りを感じましたが、プロとして現場に入るとやはり人間関係も出てくるのは事実です。
なので、こういった事務所ばかりではなく、こういったケースも実際にあったと言う事を覚えておいてください。